目次
- 特殊清掃の主な作業
- 消毒(一次消臭・粗消臭)
- 体液痕の洗浄、汚染した家財の撤去
- 遺品整理
- 害虫駆除
- 消臭・脱臭
- 汚染か所の撤去(内装解体)
- リフォーム
- 特殊清掃の料金が高くなるケース
- 孤独死の場合
- 汚染の範囲が広く、染み込んでいる場合
- 強い異臭がする場合
- 遺品整理もおこなう場合
- 特殊清掃を専門業者へ依頼した方が良い理由
- 体液痕は2次感染のリスクもあるため
- 強烈な臭いの脱臭には専門知識と機材が必要なため
- そもそも室内に入ることが困難なため
- メディア取材多数。社会問題に向き合う関西クリーンサービスの特殊清掃事例
- 【作業日数6日、料金50万円超】孤独死で死後経過3か月。スケルトン解体まで行ったマンションの特殊清掃
- 【まとめ】特殊清掃の業者選びは慎重に
特殊清掃とは、孤独死などで汚れや異臭のする空間を専用の薬剤や機器で清掃や脱臭を行って、原状回復することです。部屋の状態により作業料金に幅があるため、相場を出すのが難しいとされています。この記事では、特殊清掃の作業内容と、高額になりやすいケースを紹介するので最後までご覧ください。
この記事を監修した専門家
関西クリーンサービス 亀澤 文浩
2006年の創業時から遺品整理・不用品回収に携わる。
特殊清掃においては一般的に認知されはじめる以前から孤独死の現場の清掃を経験し、現在に至っては知識・経験・技術力ともに業界トップレベルを自負する。
特殊清掃の主な作業
特殊清掃の主な作業内容は以下の通りです。
- 消毒(一次消臭・粗消臭)
- 体液痕の洗浄、汚染した家財の撤去
- 遺品整理
- 害虫駆除
- 消臭・脱臭
- 汚染か所の撤去(内装解体)
- リフォーム
特殊清掃がどの範囲まで作業してくれるのか、工程とともに見ていきましょう。
消毒(一次消臭・粗消臭)
まず特殊清掃では感染症予防のために、専用の薬剤で部屋の消毒、除菌をします。またオゾン消臭器などを使用し、臭いを取り除く場合もあります。
消毒作業は安全に作業を行うためであり、一次消臭・粗消臭は一次的に臭気を下げることが目的ですのですべての臭いを取り除くことはできません。
体液痕の洗浄、汚染した家財の撤去
次に汚染した家具を撤去し壁や床に残る体液や血液を洗浄します。床に汚れが染み込んでいる場合は後にクッションフロアや畳なども剥いでいきます。
汚染物の運搬の際は通常のビニールに入れると臭いが漏れてしまうので、2重に梱包したり圧縮袋に入れたりして運ぶ業者もあります。
遺品整理
多くの特殊清掃業者では、遺品整理も行っています。汚れや臭いが染みついた遺品を消臭、除去しながら整理します。不用品の処分やリサイクルをしてくれる業者も多く、相続人の手間が省けるのが嬉しいポイント。
また合同供養や形見分けを扱う業者に依頼すれば、故人の大切なものをより丁寧に扱うことができるでしょう。
孤独死で部屋に入るのが難しい場合でも、業者に頼めば遺品整理までしてくれるため安心です。
害虫駆除
遺体の体液から発生するハエやウジ、ゴキブリなどの害虫を駆除します。孤独死であれば、食べかけの食品からネズミなどの害虫が出てくることもあります。害虫を放置しておくと清掃の邪魔になるだけでなく、隣室へ侵入して感染症を患わせてしまう事態にもなりかねません。
害虫が部屋から出ないように警戒しながら、殺虫剤などで駆除します。また、脱臭に用いるオゾンは害虫の繁殖を抑える効果もあります。
消臭・脱臭
荷物の搬出が終わったら、消臭・脱臭の工程です。遺品整理が終わったら部屋の荷物はほとんど残っていないので、すべての悪臭を取り除きます。
強烈な臭いにも対応できる強力なオゾン発生器と特殊な薬剤を使って、最も脱臭効果が高くなる環境を調整し作業を行います。完全に消し去らないと後日臭ってくることもあるため、オゾン脱臭が終わるごとに臭いを確認しながら作業を繰り返し、徹底的に消臭・脱臭します。
汚染か所の撤去(内装解体)
体液が床や壁材の下地に染み込んでいる汚染か所は、内装解体しなければなりません。臭いを無くすためには、すべての体液痕を取り除かなければならないためです。
壁紙や畳は臭いを吸収しやすく、直接体液が付いていなくても張り替えなければならない場合もあります。
強い臭いが部屋全体を覆い、取り切れないケースではスケルトン解体を行うことも。
賃貸物件では、臭いが強ければ特殊清掃業者が汚染した内装の撤去まで請け負ったり、逆に臭いが弱ければリフォーム会社が工事をおこなったりする場合があり、臭いや状況によって対応が変わります。
リフォーム
汚染か所を撤去したあと、リフォームをおこなう特殊清掃業者もあります。剥がした壁や床材の仕上げや解体した部分のリフォームが主な作業内容です。
リフォームまで対応している業者は少ないですが、特殊清掃と併せて依頼することでコストを抑えられるでしょう。
特殊清掃の料金が高くなるケース
特殊清掃の料金が高くなる主なケースは以下の4つです。
- 孤独死の場合
- 汚染の範囲が広く、染み込んでいる場合
- 強い異臭がする場合
- 遺品整理もおこなう場合
該当するケースでは自分で対処できないので、料金が高くなっても特殊清掃を依頼しましょう。
孤独死の場合
孤独死で発見が遅れてしまうと、体液痕や臭いが壁・床に付着していることが多く、徹底的に除去する必要があるため料金が高くなります。夏であれば死後2日、冬でも1週間経つと強烈な臭いが発生します。
臭いの除去はもちろん、家具などに付着した体液を漏らさないように運搬する手間や内装の損傷を修復する費用などがかかるため、通常の清掃より高くなるでしょう。
体液にはハエやウジ、ゴキブリなどの害虫が寄ってくるので、駆除する人件費もかかります。体液や血液が広範囲に渡っていると、さらに高額になってしまうでしょう。
汚染の範囲が広く、染み込んでいる場合
内装や下地に体液が染み込んでいる場合は、汚れだけでなく臭いの元である体液を取り除かなければならないため、内装解体が必須です。
壁紙やクッションフロアをめくるだけの作業なら、それほど費用はかからないかもしれません。ただ石膏ボードやベニヤなどを撤去する場合は、料金が高くなってしまいます。
汚染の範囲や染み込み具合によって作業工程が変わるため、清掃前に明確な料金は出せませんが、遺体を早めに発見できれば汚染範囲は小さいことが多く、費用は安く済むでしょう。
強い異臭がする場合
強い異臭が取れない場合も高額になってしまいます。内装解体しただけでは臭いは残り、住める状態に戻すには徹底的に脱臭しなければなりません。
脱臭に用いるオゾン脱臭機の操作は簡単ですが、脱臭効果を高めるためには部屋の温度・湿度の調整や稼働時間の調整、適切な後処理を行う必要があるため、時間と人件費がかかります。また異臭がなかなか取れないと再度消毒したり、コンクリートを消臭コーティングしたりといった工程が増えることもあり、さらに料金が高額になるケースも考えられます。
遺品整理もおこなう場合
特殊清掃と併せて遺品整理もおこなう場合は、2つの作業料金が合算されるため高くなるケースがあります。通常の遺品整理とは異なり、事前に消毒を行ったり、密封して運搬したりする必要があり、遺品整理だけなら数時間で終わる作業が特殊清掃も行うと数日かかるケースも。遺品の量が多ければ、さらに高額になるでしょう。
遺品整理は貴重品や不用品の分類、家具の処分、年金の手続きなど親族だけで行うには体力と手間がかかります。特殊清掃を依頼する場合は、高額になったとしても遺品整理も併せて依頼するとよいでしょう。
特殊清掃を専門業者へ依頼した方が良い理由
特殊清掃は高額でも、依頼した方が良い理由は以下の3つです。
- 体液痕は2次感染のリスクもあるため
- 強烈な臭いの脱臭には専門知識と機材が必要なため
- そもそも室内に入ることが困難なため
専門知識のない方が特殊清掃をしてもうまくいかなかったり、感染症のリスクを負ったりすることになるため、早い段階で専門業者に依頼しましょう。
体液痕は2次感染のリスクもあるため
故人の体液、血液は2次感染のリスクがあるため、特殊清掃業者に依頼しましょう。体液に含まれる病原体やウイルスは、故人が亡くなった後も消滅しません。安易に体液に触れてしまうと、感染リスクが高まります。また早く対処しないと、遺体に群がるハエが媒介となって、近隣住民に何らかの感染症を患わせてしまうことも考えらえます。
目に見える体液が少量だったり身体に傷口がなかったりしても、細菌類は急激な勢いで増殖するため、知識のない方が対処するのは非常に危険です。
清掃料がたとえ高額でも、専門業者に依頼しましょう。
強烈な臭いの脱臭には専門知識と機材が必要なため
孤独死の強い臭いは市販の薬剤を使用しても取り除けません。特殊清掃では専用の薬剤や強力なオゾン脱臭機を使って脱臭しますが、業務用のためホームセンターなどでは購入できません。また、臭いが染み込んだ床材の撤去、張り替え作業が必要なこともあります。
臭いが少しでも残っていると細菌や悪臭が再発する原因となってしまい、知識や道具のない方が脱臭しても数日後には再発しているケースが多いです。
特殊清掃は専門知識と機材が必要なため、専門業者に依頼することをおすすめします。
そもそも室内に入ることが困難なため
強烈な異臭がしたり、ご遺体の跡が残っていたりして、通常は部屋の中に入ることすら困難に感じるものです。ご遺族であればなおさらのこと。
特殊清掃を扱う業者の多くは遺品整理も行っており、同時に依頼すればコストを下げられるため、遺品整理も委任するのがよいでしょう。
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メディア取材多数。社会問題に向き合う関西クリーンサービスの特殊清掃事例
関西クリーンサービスでは数々の、孤独死や自死などで発見が遅れた部屋の特殊清掃を承ってきました。YouTubeチャンネルでは清掃現場の凄惨な状況やご遺族の声を動画で公開し、同時に離れて暮らす大切な人と連絡を取り合うことがどれほど大事なことか、視聴者に伝えています。
この取り組みは新聞・テレビなどの各メディアの注目を集め多数の取材を受けてきました。
ここでは特に凄惨な状況で清掃費用が高額になった事例を紹介します。
【作業日数6日、料金50万円超】孤独死で死後経過3か月。スケルトン解体まで行ったマンションの特殊清掃
亡くなられたのは20代男性、死後経過は約3ヶ月。朝晩はまだ冷え込む3月頃に、人知れずお亡くなりになりました。
ベッドで亡くなられた故人はエアコンをつけたまま眠りについたのでしょうか。現場の状況から、暖房と日中の陽気が相まってご遺体はドロドロの状態になっていたと思われます。
ベッドから垂れ落ちて固まった体液が残っていました。周辺の床は溶け出した体液に混ざった脂でべとべとの状態。この状態では床下まで体液が染みわたっていることは明らかです。
ご依頼主である物件オーナー様にそう伝えると、後のリフォームを視野に、スケルトン解体をご要望されました。
消毒を行ってさっそく清掃作業に入ります。
整理された1ルームの遺品はそれほど多くはありません。しかし体液が広範囲に及び、家財道具の搬出は慎重を極めます。万が一にも室外に体液を付着させてはなりません。
全ての遺品を運び出した後、弊社では2回目の消毒工程を行います。この後床材や壁紙を剥がしていくスタッフや、剥がした内装材を運搬処理するスタッフの安全を考慮した作業であると同時に感染のリスクを外へ持ち出さないという意味もあります。
作業2日目、内装を全て剥がしスケルトン状態に解体すると、防水性のあるCF(クッションフロア)も突き抜けて下地のコンクリートを汚染していました。
作業3日目、コンクリートに残った体液の痕を研削し、さらに全体に消毒液を散布した後、消臭コーティングを施します。
作業4日目、臭いの元は全て取り除いても、それでもまだ強い臭いは残っていました。窓枠や玄関扉等の建具にも消毒液を撒き、ようやくオゾン脱臭に入ります。
およそ丸一日、室内をオゾン燻蒸し、さらにコンクリートの再コーティング、2度目のオゾン燻蒸を終えた作業開始から6日目、臭いはようやく正常になりました。
死後3か月が経過し、臭いの元である体液の痕が広範囲に、深く染み込んだ特殊清掃の費用は〇〇円でした。
【まとめ】特殊清掃の業者選びは慎重に
特殊清掃業者は、消毒・体液の洗浄・遺品整理・脱臭などさまざまな作業を行っています。孤独死や強烈な異臭が残っている場合には、脱臭や洗浄に時間がかかるため、通常より高額になってしまいます。ただ特殊清掃は専門知識と機材が必要であり、適切に対処しないと感染症リスクなどが高まるため、高額であっても依頼しましょう。
他社より大幅に安い専門業者も存在しますが、専門知識や機器を用いて作業しなければならないため、同じ作業内容で大幅に料金が異なることは考えられません。料金の安い業者では、脱臭後も臭いが残っていたり、遺品の扱いが雑だったりしたという意見も見られます。
関西クリーンサービスでは、世界最高水準のオゾン脱臭機をはじめさまざまな専門機器を用意。損害賠償保険にも加入しているので、万が一の場合にも安心です。
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