オゾン脱臭の効果と手法│強烈な臭いを消臭する孤独死の特殊清掃について

オゾン脱臭は強烈な臭いを取り除けるため、孤独死の特殊清掃でも使われる手法です。しかし、強烈な臭いを取り除くためには適切な温度設定をしたり大風量で作動させたりするなど綿密さが求められます。

 

この記事では、オゾンによる脱臭の仕組みや特殊清掃業者が用いる方法について数多の特殊清掃実績がある関西クリーンサービスが詳しく解説します。

 

この記事の監修者
	関西クリーンサービス 亀澤 文浩 2006年の創業時から遺品整理・不用品回収に携わる。 特殊清掃においては一般的に認知されはじめる以前から孤独死の現場の清掃を経験し、知識・経験・技術力ともに業界トップレベルを自負する。

 

オゾンによる脱臭メカニズムとその効果

そもそもオゾンがなぜ脱臭に用いられるのでしょうか？

 

ここではオゾン脱臭の仕組みと効果について解説します。脱臭のメカニズムと脱臭以外の効果について見ていきましょう。

オゾン脱臭の仕組み

オゾンを化学式に表すと「O³」で、酸素分子「O²」にもう一つの酸素原子「O」が結びついて形成される気体です。オゾン分子「O³」の結びつきは酸素「O²」と比べるとかなり不安定であり、自然に分離して酸素「O²」に戻ろうとします。そして分離した酸素原子「O」が臭いや菌の物質と融合して酸化し、臭い物質が破壊されます。

破壊した後に残る物質はオゾン「O³」から分離した酸素「O²」だけになり、有害な物質を出さず安全に脱臭できるという仕組みです。空気清浄機などとは異なり、臭いの元を取り除くことができる脱臭方法です。

脱臭効果がある臭い

臭いを根源から取り除くことができるオゾンは、あらゆる種類の臭気に効果があります。オゾンで脱臭効果のある臭いは以下の通りです。

 

・死臭

・カビ臭

・生ゴミ臭

・タバコ臭

・排泄物の臭い

・排水溝の臭い

 

ニンニクや発酵食品、魚の臭いにも効果的です。反応する成分としては、アンモニア（2NH₃）や硫化水素（H2S）などが該当。

 

アンモニア（2NH₃）はオゾン（O₃）に近づくことで、窒素（N₂）と水（H₂O）3つに分かれます。また、硫化水素（H2S）は硫黄（S）と酸素（O₂）、水（H₂O）に分解されるため、臭いを消し去ることが可能です。

 

悪臭はオゾンから分離した酸素原子と反応しやすく、人が不快に感じる臭いの多くはオゾン脱臭で取り除くことができます。

脱臭以外の効果

オゾンには脱臭以外にも細菌やウイルスの除去、虫の忌避、花粉の不活化などの効果があります。オゾンは殺菌力が強いため、菌を不活化させることで作業時の感染症リスクを抑えることが可能です。

 

また、ダニやゴキブリなどの害虫が分泌するフェロモンを破壊できるため、虫を寄せ付けない忌避効果が期待できます。さらに、オゾンは花粉の細胞膜を破壊して不活化させられるので、花粉を減らす役割も担います。

 

ただしメインは脱臭であり、これらは副次的な効果に過ぎません。害虫を駆除する場合は殺虫剤を使ったり、花粉症が酷い場合は空気清浄機を使ったりなど、状況に応じて適切な対応をしましょう。

孤独死の強烈な臭いも取り除く効果的なオゾン施工を徹底解説

ここまでオゾン脱臭のメカニズムやオゾンの効果について解説してきましたが、孤独死の強烈な臭いを取り除くためには単にオゾンを生成させるだけでは高い効果は期待できません。

 

ここでは特殊清掃業者が用いるオゾン脱臭の方法を解説します。知識のない方が真似すると危険なので、参考までにご覧ください。

 

手法

一般的なオゾン脱臭では、部屋の隅々に染みついた孤独死の強烈な臭いを取り除くことは極めて困難なものです。そこで特殊清掃ではOST法を用いて脱臭します。

OST法は高湿度で効果を発揮しやすいオゾンの特性を活かした手法で、単に機械を使用するだけでなく、適切な温度と湿度を調節し、大風量で発生させたオゾンの濃度を維持しながら供給し続けることで完全脱臭する方法です。

 

この手法を用いるためにはまず、大量のオゾンを大風量で発生させる機材を使う必要があります。さらに適切な環境を整えて高濃度を維持し続けるためには専門的な知識と経験がなければ簡単にはできません。

 

では、特殊清掃業者が用いるOST法はどのように行っているのでしょうか。弊社の作業をもとに解説します。

 

1.湿度と温度の調節

窓を閉め切った状態で消臭効果がある薬剤を部屋全体に何度も噴きかけるなどして限りなく湿度を高めます。夏場は高温になりすぎないよう冷風機を併用。

 

2. 機材の設置

使用する機材は業務用オゾン発生器と大型のサーキュレーターです。臭いの元に近い部分を中心に数カ所設置し、空気よりも重いオゾンを部屋全体に行き渡らせるようサーキュレーターの風向きを調整します。

 

3. オゾン発生器を稼働し、部屋を密閉する

あらかじめ通気口や窓のサッシなどの隙間は養生して密閉空間を作り、オゾン発生器を稼働。人体に影響するほどのオゾン濃度になるため、稼動中は無人状態で行います。

 

4. 換気、洗浄、オゾン脱臭を繰り返す

数時間のオゾン脱臭をおこなった後、換気をして空気を入れ替えます。臭気を確認しながら、薬剤を使用して建具や壁、床を洗浄し、1～3の手順を繰り返し行います。

期間

脱臭にかかる期間は部屋の状態や臭いの強さによって異なります。一般的なオゾン脱臭や薬剤による方法では予想外に脱臭効果が得られず追加で1～3週間もの期間がかかったり、場合によっては臭いが残ったりすることもあります。一方、OST法を使った脱臭効果は強力なため、数日で終わることが多いです。

 

脱臭機の稼働→換気→洗浄→温度・湿度の調節（薬剤の噴霧）→脱臭機の稼働というサイクルを、臭いが完全に無くなるまで数日間繰り返します。

 

しかし、どんなに強い臭いであっても嗅ぎ続けていると次第に慣れてしまうもので、臭気計を使って科学的に計測することも大切です。また、作業が長期間に及ぶ場合はスタッフを替えて臭いを確かめるなど、ちょっとしたことが効果をもたらす一役となります。

 

オゾン脱臭だけでは臭いが消えない場合の対処法

どんなに強力な脱臭効果があっても、臭いが残ったり、そもそもオゾン脱臭だけでは臭いが消えないケースもあります。このような場合には、内装解体・消臭コーティングで対処します。

 

脂を含んだ体液は壁や床に染み込むと洗浄してもオゾン脱臭をしても取り除くことが困難です。そのためベニヤ板や石膏ボードなど体液が染み込んだ部分を取り除く「内装解体」を行います。

 

消臭コーティングは臭いを封じ込める特殊なコーティングのことで、今ある建材を撤去せずにそのまま利用することができるため、コンクリートや基礎などの解体出来ない部分に用いられています。

関西クリーンサービスは業界トップクラスの特殊清掃

オゾン脱臭を依頼する際は業者選びが大切です。特殊清掃業者を名乗る業者はここ数年で増加傾向にありますが、オゾン脱臭を適切に実施し、高いレベルでの脱臭を実現できる業者は限られています。

 

完全脱臭を目指すと、ある程度の料金はかかってしまいますので、料金だけでなく、実績やサービスの内容を見て業者を選ばなくてはなりません。

関西クリーンサービスは特殊清掃業界でトップクラスの信頼と実績を誇ります。メディア注目度は業界No.1。ゴミ屋敷の清掃や特殊清掃の現場で様々なメディアの取材を受けてきました。

 

また、特殊清掃業者でありながらYouTubeチャンネル登録者は約8万人。作業の様子を公開することで、その背景に潜む様々な問題やご依頼いただく方の思いを視聴者に届けています。

 

お困りの場合は、ぜひ関西クリーンサービスまでご相談ください。お電話・お見積もり・出張査定は完全無料なので、料金のご相談だけでもご連絡ください。

 

【まとめ】特殊清掃における脱臭は実績のある業者に

オゾン脱臭とは、臭いの原因物質とオゾン（O₃）が反応することで臭いを取り除く方法です。結びつきが不安定なオゾン分子は自然に酸素（O₂）になるため、脱臭後も安全な環境を保つことができます。

 

孤独死でこびりついた臭いは、強力なオゾン脱臭をしなければ取り除けません。

オゾン脱臭をおこなう特殊清掃業者でも、使用する機器やスタッフの技術によって脱臭そのものの効果や、脱臭にかかる期間と料金は大きく異なります。業者に依頼しようと考えている方は注意しましょう。

 

関西でオゾン脱臭を依頼しようか迷っている方は、関西一円に対応している「関西クリーンサービス」までご相談ください。最高水準の機械とベテランスタッフが在籍しておりますので、安心してご依頼いただけます。