ゴミ屋敷にいる害虫の種類は？人体への悪影響はあるの？

ゴミ屋敷が引き起こす問題は多くありますが、その中の1つとして見逃せないのが、害虫の大量発生です。

汚れた場所を好み、生ゴミ等を餌にすることの多い害虫にとって、ゴミ屋敷は格好の住処。

 

かわいいとは到底言えない見た目が苦手という人も多いと思いますが、それ以上に様々な実害を引き起こすのがゴミ屋敷の害虫問題です。

人体にも悪影響を及ぼすため、早めの対処が肝心となります。

 

そこで、今回はゴミ屋敷に必ずいる害虫の種類と、人体への悪影響について詳しく紹介します。

 

ゴミ屋敷に出現する害虫

ゴミ屋敷に出現する害虫にはどんなものがあるのでしょうか。

 

ここでは、代表的な6つの害虫についてご紹介いたします。

 

1.ハエ・コバエ

ハエ・コバエは、ゴミ屋敷での出現率が最も高い害虫の1つです。

ゴミ屋敷というほどゴミが溜まっていなくても、一般家庭の生ごみにたかってくることも多くあります。

 

ハエ類は生ごみの腐敗臭や配管の悪臭を好み、窓の隙間からでも侵入します。

ハエは犬よりも優れた嗅覚を持っているので、ほんのわずかな食べ残しや、野菜の切れ端が腐敗しかけた臭いでも嗅ぎ分けて集まってくるのが特徴です。

 

2.ゴキブリ

ゴキブリは湿度が高く、通気性の悪い場所を好みます。

さらに雑食で、食事の食べこぼしや調理の際に出た生ゴミ、人間の皮膚や髪の毛、ホコリ、ダンボール等とにかく何でも食べます。さらに、少ない栄養でも長く生きられる厄介な害虫です。

 

特に餌となるものが多く、ゴキブリが好むキッチンは危険地帯といえます。台所周りでゴキブリを見たという方は、ゴミ屋敷でなくても多いものです。

 

ゴキブリはおよそ3億年前から地球に存在し「生きた化石」といわれるほど生命力の強い害虫です。

ゴミ山の中で大量発生していることもあり、殺虫剤だけでは対応できないため、早めの対処が必要となります。

 

3.チャタテムシ

チャタテムシは、全長1～2mm程度と非常に小さく、茶色の身体をしています。かなり小さいため、ダニと間違えられやすい虫です。

 

主にお米や小麦粉等の中に潜伏し、カビを食べて繁殖しています。

チャタテムシは、メスのみで繁殖できる特殊な虫のため、その繁殖速度が極めて早いのが特徴です。

 

高温多湿でホコリの多い場所を好むので、布団の下やクローゼット、本棚等に住み着いていることが多い虫です。

 

梅雨は特に、チャタテムシが大量発生しやすい時期です。チャタテムシ自体に毒はなく、人から吸血や刺咬することもありません。

 

しかし、チャタテムシを食べて生きるツメダニは、人を刺して皮膚炎を発症させる可能性があるので、チャタテムシがいる状態が好ましいとはいえません。

 

4.アシダガグモ

脚が非常に長く、全長は13cmにも及ぶ大きなクモです。

大きいものになると、人間の手のひらほどのサイズになるので、驚く方も多くいます。

 

ただし、アシダガグモは、今まで紹介したゴキブリやハエ、蚊や蛾等の害虫を捕食するので「益虫（人にとって役立つ昆虫）」として位置づけられています。アシダガグモが数匹いるだけで、ゴキブリが全滅するといわれているほどです。

 

しかし、そのクモがいるということは、餌になる害虫が大量にいるという証拠でもあります。

アシダガグモを見かけたらゴミ屋敷化がかなり進行しているといえるでしょう。

 

アシダガグモ自体は、人体に危害を加えるものではないので、見つけても不安になる必要はありません。

 

5.シミ（紙魚）

シミは、体長8～10mmほどで、3本の長い尾と2本の触角、銀色に光るウロコを持つ虫です。夜行性なので、薄暗い場所に住み、素早く床を這って動き回ります。

 

漢字で「紙魚」と書くように、書籍や新聞等の紙類が好物で、本や紙類の山に潜んでいます。

 

さらに、壁と床の隙間やフローリング、壁のひび割れ等、小さな隙間を出入りしながら移動します。

寿命が7～8年と長く、何も食べなくても1年近く生きるので、1度発生すると駆除しない限り何度も見かけることになります。

 

人を刺したり咬んだりすることはないものの、シミが好む環境はいわゆる「不衛生」で、人間に健康被害を与えやすい環境になっています。

 

6.ウジ虫

出現率はそれほど多くないものの、現れたらかなり危険信号といえるのがウジ虫です。

 

ウジ虫は、体長1cm程度で半透明の姿をしたハエの幼虫です。上述の通り、ハエはゴミ屋敷以外でも見かけますが、ウジ虫の状態で目にすることはめったにありません。

そのため、家の中でウジ虫の大群を目撃した場合は、かなり深刻な状況といっていいでしょう。

 

ウジ虫の親であるハエは、1度に50～100個以上の卵を産み付けるので、一斉に孵化すると大量のウジ虫が湧いた状態となり、孵化するまでの期間は半日～数日程度、サナギとなった後は2週間程度で成虫になります。

 

見た目の気持ち悪さだけではなく、ハエになって病原菌を運び、健康被害となるのが大きな問題となります。他の害虫と比べて出現しにくい分危険度は高いため、きちんとした対策が必要となります。

 

ゴミ屋敷の害虫による健康被害について

ゴミ屋敷に潜んでいる害虫そのものには、健康被害の原因となることはそれほど多くありません。ただし、ダニ等人の血を吸うタイプの害虫も存在するため、注意が必要です。

 

ほとんどの害虫は屋外から侵入してくるため、その身体にはたくさんの病原菌を媒介している可能性があります。

 

直接的に人体に害がないからと放置しておくと、取り返しのつかない疾患になってしまう可能性もあります。

実際に害虫が運んでくるリスクの高い病原菌は以下の6つです。

 

1.O-157…軽度の下痢や激しい腹痛、水様便等の症状を引き起こし、さらに悪化すると血便と共に重篤な合併症を引き起こし、死に至るケースもある

2.大腸菌…溶血性尿毒症症候群 （HUS）と呼ばれる急性腎不全やけいれん、意識障害等、治療が難しい症状を起こすことがあり、重篤な場合は死に至るケースもある

3.サルモネラ菌…けいれん性の腹痛や吐き気が起き、発熱や水様性下痢、嘔吐等を引き起こす

4.赤痢菌…発熱や腹痛、下痢、時には嘔吐等を伴う。重症化すると「テネスムス（便意はあっても便がでない状態）」という症状が起こり、粘性の血便を排泄する

5.黄色ブドウ菌…激しい嘔吐や腹痛、急激な下痢を伴う急性胃腸炎症状を起こす

6.ペスト菌…リンパ節の腫れに加えて、発熱や頭痛、悪寒、倦怠感といった全身性の症状が出る

 

病原菌の中には激しい痛みを伴い、死に至るケースもあるので、ゴミ屋敷の中で害虫を見つけた場合には早急な対応が必要となります。

根本的な解決策は「ゴミ屋敷を片付ける」ことなので、できるだけ感染する前に片付けを始めるのがお勧めです。

害虫の発生を防ぐには？

害虫の発生や放置は危険であることを、上記でご紹介しました。

では、害虫の発生を防ぐには、具体的にはどのような対策を講じればいいのでしょうか。

 

ここからは、害虫の発生を防ぐ方法についてご紹介いたします。

 

家の中の害虫を徹底駆除する

自力で害虫を駆除する場合には、まずは燻煙剤やスプレーを複数用意し、掃除に取りかかる前日までにできるだけ虫を減らしておきます。

掃除をする度に虫に煩わされると片付けもなかなか進みません。見える虫だけでも駆除しておくと掃除も進みます。

 

業者に依頼すれば、さらに強力な薬剤での駆除が可能になります。害虫が多すぎて対処できない場合は、プロへの依頼も検討しましょう。

 

こまめに掃除をして清潔にする

ゴミ屋敷を片付けてからも、ゴミを溜めずにこまめに掃除をしておくことで、虫の餌もなくなり、結果的に害虫の発生や繁殖を防ぐことにつながります。

人間が食べるものだけではなく、ホコリや布類も餌になるため、日頃からの整理整頓や防虫剤の設置等も効果的です。

 

掃除機をかけ、洋服は出しっぱなしにせずすぐしまう、紙ゴミ等は定期的に片付ける等「溜めない工夫」も大切になります。

 

外部からの侵入対策を行う

どんなにきれいに掃除をしていても、虫の大半は外から侵入してくるので、侵入対策も必須です。

玄関や窓といった、虫が侵入してきそうな場所に設置式の殺虫剤を置き、侵入経路を塞いでおきます。排水口等、外部とつながる場所にも侵入しないよう、定期的に掃除をしておくことも重要です。

 

人が住む以上、完全に部屋を密閉することはできないため、できるだけ虫が入ってこられない環境を作るようにしておくことが大切です。

 

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害虫には複数の種類があり、どの害虫も放っておくと人体に大きな影響を及ぼす可能性が出てきます。

害虫の発生を防ぐには、まずは発生している害虫を駆除した後、掃除や外部からの侵入対策等、発生を予防するための対策が必要となります。

 

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