遺品整理をする際、何を捨てて何を残すべきか、その見極め方がわからずに困っている方も多いのではないでしょうか。
遺品の中には、重要な意味を持っていたり価値があったりする品物があり、それらを誤って処分してしまうと、後々不利益やトラブルにつながる可能性があります。
そこで今回の記事では、遺品整理で捨ててはいけないものをリストにしてご紹介します。それぞれを捨ててはいけない理由についても詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
遺品整理で捨ててはいけないものは全部で16種類!
遺品整理で捨ててはいけない主なものは、以下のリストにある16種類です。
- 1. 遺言書
- 2. 遺書
- 3. 現金
- 4. 通帳
- 5. 印鑑
- 6. 故人の仕事に関する資料
- 7. 身分証明書
- 8. 年金手帳(年金証書)
- 9. ローンの明細
- 10. 土地の権利書
- 11. 証券類(有価証券・保険証券)
- 12. レンタル品・リース品
- 13. 鍵
- 14. 売却価値がある物
- 15. デジタル遺品
- 16. 故人の思い出の品
これらを安易に捨ててしまうと、後々の手続きに困ったり、遺族や業者などとのトラブルに発展したりする可能性があります。
それぞれに捨ててはいけない理由が異なるので、「法的に捨ててはいけないもの」「手続きや解約のために捨ててはいけないもの」「トラブル防止のために捨ててはいけないもの」の3つに分けて、詳しく確認していきましょう。
法的に捨ててはいけない遺品3選
ここでは、法的に捨ててはいけない遺品を3種類取り上げ、それぞれの捨ててはいけない理由を詳しく解説していきます。
遺言書
遺品整理をする前に、遺言書が残されていないか確認しましょう。
遺言書には故人の遺志が記されているため、捨ててはいけないものをはじめ、相続に関する重要事項が記載されています。また、法的な拘束力も持つため、誤って捨ててしまうと、後々親族間でのトラブルに発展する可能性もあります。そのため、遺言書は数ある遺品の中で最も捨ててはいけないものだといえます。
なお、遺言書には大きく分けて「公正証書遺言・秘密証書遺言」と「自筆証書遺言」の2種類があります。
故人が公正証書遺言・秘密証書遺言を遺している場合は、公証役場に保管されています。そのため、まずは最寄りの公証役場に問い合わせて、有無を確認しましょう。
また、自筆遺言書の場合は、自宅の金庫や鍵付きの引き出しに保管していたり、銀行や知人、専門家に預けていたりと様々です。
自筆遺言書が自宅で見つからず、有無もわからない場合は、故人と生前交流があった人が預かっていないか、確認してみるとよいでしょう。
遺書
遺書は、遺言書と違って法的拘束力を持ちません。しかし、そこには故人の生前の思いが書かれているため、遺品整理をする前に内容を確認しておくべきです。中には、その他の捨ててはいけないものに関する指示が書かれている場合もあります。
なお、最近では文書でなく、音声や動画に生前の思いを記録していることもあります。それらの有無を見逃さないよう、デジタルデータもしっかり確認しておくようにしましょう。
現金
遺品の中に現金がある場合は、誤って捨てないように注意しましょう。
まず、現金を捨てることは法的に禁止されています。日本には「貨幣損傷等取締法」という法律が存在し、意図的に現金を損傷させると「一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金」が課せられます。もちろん、誤って捨てた場合は罪に問われませんが、注意は必要です。
また、故人の所有していた現金は「遺産」なので、相続の対象になります。そのため、遺品の中で発見された現金は、すべて回収しなければなりません。
とはいえ、現金を自宅の目につく場所に保管している人は少なく、多くの場合「へそくり」としてどこかに隠しています。タンスや金庫だけでなく、本のページの間などに隠しているケースもあるので、できるだけ詳細に確認しましょう。
手続きや解約のために捨ててはいけない遺品6選
ここでは、後々の手続きや解約の際に必要となる遺品を6種類取り上げ、それぞれを捨ててはいけない理由を詳しく解説していきます。
通帳
通帳は、故人の預金を遺族が引き出すために必要なため、捨ててはいけません。
万一通帳を処分してしまうと、正式な遺族や相続人でも引き出すのが難しくなってしまいます。また、記帳内容からお金の動きがわかるため、加入保険や株式、ローンなど、どこと取引があるのかを把握する際にも役立ちます。
なお、故人の銀行口座は金融機関が死亡を知ったタイミングで凍結されます。凍結後に預金を引き出す際は、遺産分割協議書などの書類を用意しなければなりません。また、口座凍結前に預金を引き出してしまうと、後々相続放棄ができなくなるなどの問題もあるため、慎重に判断するべきでしょう。
印鑑
故人の印鑑は各種手続きに必要なので、決して捨ててはいけません。
印鑑とひとくちに言っても、契約先や重要度に応じて実印と認め印を複数使い分けている可能性があります。戸籍謄本の取得や凍結口座の解除の際、印鑑証明に使用された印鑑を紛失していると、手続きがだいぶ面倒になってしまいます。
印鑑はサイズも小さく誤って捨ててしまいやすいので、不用品を処分する際に紛れ込んでいないかしっかり確認することが大切です。また、故人が経営者だった場合は、会社用の印鑑を所有している可能性もあります。後述する仕事に関する資料とともに、後々の手続きのために必ず保管しておきましょう。
故人の仕事に関する資料
故人が会社勤めをしていたり、会社を経営していたりした場合は、仕事に関連する資料は捨てないよう注意しましょう。後日、法人手続きに必要になる可能性があります。
また、会社内で故人の仕事内容を引き継ぐために活用されるケースもあるため、一定期間は保管しておくのが望ましいといえます。
身分証明書
遺品整理をする際は、故人の身分証明書を捨てないよう注意しましょう。故人が生前契約していた各種サービスを解約するためには、故人の身分証明書が必要なことがあります。
近年では各種サブスクリプションサービスなども充実しており、遺族の知らない課金サービスを利用している可能性が高くなっています。遺品整理の際にしっかり解約しておかないと、故人の死後も料金がかかり続けてしまいます。
捨ててはいけない身分証明書の具体例は、以下の通りです。
- 運転免許証
- パスポート
- 保険証
- マイナンバーカード
年金手帳(年金証書)
故人が年金受給者であった場合は、年金手帳や年金証書も捨てないようにしましょう。
死亡から10日(国民年金は14日)以内に死亡届と合わせて届け出ないと、死後も年金が支給されてしまい、その払い戻しをする手間が発生する可能性があります。
参考:年金Q&A|日本年金機構
ローンの明細
故人がローンを組んでいた場合、その明細は捨てないようにしましょう。
ローンの残債が多い場合は、他の相続分と合わせて「相続放棄」という手段を取ることができますが、相続発生を知ってから3ヶ月以内という期限があります。
後になってローンの存在を知るということがないよう、明細はしっかり保管し、正確な残債状況をローン会社に問い合わせるようにしましょう。
トラブル防止のために捨ててはいけない遺品7選
ここでは、後々のトラブルを防止するために捨ててはいけない遺品7種類と、その理由を詳しく解説していきます。
土地の権利書
故人が土地を所有している場合は、土地の権利書は捨てないようにしましょう。
土地も相続の対象となるので、権利書があると遺族での相続の話し合いがスムーズに運びます。
とはいえ、権利書が見つからない場合も、焦る必要はありません。土地の所有権を移す「相続登記」を行うこと自体は、権利書が無くても行うことが可能です。
証券類(有価証券・保険証券)
遺品整理の際、故人名義の証券類が出てきた際は、必ず捨てずに取っておきましょう。
最近では個人での投資や株式運用なども珍しくなく、遺族が知らない有価証券などが遺品整理の際に発見されるケースも多いです。
証券類は資産価値を持つものなので、別途申告や手続きが必要なこともあります。遺品整理の際に見つかった場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。
レンタル品・リース品
故人が何かしらのレンタル・リースサービスを利用していた場合は、それらの品物を捨ててはいけません。これらは故人の所有物ではないため、誤って処分してしまうと賠償金が発生してしまいます。
レンタル・リース品には様々な種類がありますが、代表的なものは以下の通りです。
- Wi-Fiルーター
- ウォーターサーバー
- パソコン
- 自動車
レンタル・リース品の場合、製品に取引会社の連絡先などが記されたシールが貼られていることが多いです。家電などを処分する際は、念のためシールが貼られていないか、しっかり確認しておきましょう。
鍵
遺品の中に鍵が含まれていたら、処分せずに取っておきましょう。
自動車や金庫、倉庫など、鍵をかける物や場所は価値があったり重要な意味を持っていたりすることが多いです。誤って鍵を捨ててしまうと、それらを確認することができなくなってしまいます。
鍵はサイズが小さく、洋服のポケットなどに入れっぱなしになっていることも多いです。気づかず捨ててしまうことのないよう、しっかり確認するようにしましょう。
売却価値がある物
遺品の中に売却価値がある物があった場合は、誤って捨てないよう注意が必要です。
たとえば、アート作品や骨董品、ブランド品や和服、希少価値のあるフィギュアなどは、高価で売却できる可能性があります。
とはいえ、素人目には価値の有無を判断できないことが多いので、わからない場合は一旦保管しておき、後日査定に出すとよいでしょう。
なお、遺品整理業者の中には、整理作業と同時に買取を行ってくれるところもあります。そのような業者に頼めば、仕分けや後日査定の手間を大きく省くことができるでしょう。
デジタル遺品
デジタル遺品とは、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器に保存されたデータのことです。
故人の所有していたデジタル機器の中には、暗号資産や有価証券など、資産につながる情報が保存されている可能性があります。そのため、デジタル機器はむやみに処分や初期化をせず、内容を確認するようにしましょう。
また、最近では写真や動画などをデジタルに保存しているケースもあります。目の前の端末には故人の思い出がたくさん詰まっている可能性があるので、処分には慎重になるべきだといえます。
故人の思い出の品
故人との思い出が残る品は、一度捨てたら戻ってきません。そのため、処分する際は慎重になる必要があります。
特に、遺族を代表して遺品整理をする場合は注意しましょう。自分にとっては何でもない品でも、他の遺族にとっては大切な思い出の品かもしれません。写真や手紙などを発見した場合は、捨てる前に遺族それぞれに確認しておくと安心です。
【まとめ】重要なものを捨てないよう、遺品整理は慎重に。
今回は、遺品整理で捨ててはいけないものについて、詳しく確認してきました。
遺品の中には、法的や私的に重要な意味を持つものが含まれている可能性があります。それらを安易に捨ててしまうと、後々の不利益やトラブルにつながるので、遺品整理は慎重に行うことが大切です。
関西クリーンサービスでは、遺品整理サービスを実施しております。遺品整理士の有資格者が在籍する優良事業所として認定されており、幅広いニーズに対応した遺品整理が可能です。
長年の経験から、重要なものを仕分けして作業を行いますので、安心して遺品整理をお任せいただくことができます。また、価値のあるご遺品は高額で買取も可能です。お見積りは電話・出張ともに無料なので、遺品整理でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。