京都市のゴミ屋敷に関する条例

「ゴミ屋敷が条例で取り締まられるって本当？」
「ゴミ屋敷条例ってなに？」
「京都市にもゴミ屋敷条例はあるの？」
「ゴミ屋敷になったらどうすればいい？」

ゴミ屋敷は、今や大きな社会問題の1つとなり、中には害虫や臭いが発生していたり、交通の妨げになりかねないほどのゴミが溜まっていたりする事例もあります。このような状況は、ゴミ屋敷の近隣に住む人にとって他人事ではありません。しかし、ゴミ屋敷に住むこと自体は違法ではないため対処が難しいというのが実態です。

そこで、ゴミ屋敷の問題を解消するために、自治体ではゴミ屋敷に対応する独自の条例を制定する動きがでてきました。京都市もそのうちの1つです。

この記事では、京都市のゴミ屋敷に関する条例の内容や、ゴミ屋敷を片付ける方法、業者へ依頼する際のポイントなどについて、詳しく解説します。

京都市でゴミ屋敷にお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

ゴミ屋敷条例とは何か

ゴミ屋敷条例とは、各自治体がゴミ屋敷問題の解決を目指して制定している条例です。

都道府県や市区町村などの自治体では、直面する問題が自治体ごとに異なっています。そのため、自治体の抱える問題を解決し、住人の幸福度や公共の利益を高めるために、自治体には条例を定める権限が与えられています。

ゴミ屋敷の問題が表面化している自治体では、それを改善するためにゴミ屋敷条例が定められます。ゴミ屋敷条例はあくまで通称であり、実際の名称は各自治体で異なります。また、制度の詳細も自治体によって様々であり、各自治体のゴミ屋敷に対する考え方が反映されています。

ゴミ屋敷は法律では対処できない？

ゴミの処分等に関する法律は「廃棄物処理法」があげられます。また、ゴミ屋敷によって起こり得るリスクは「道路交通法」や「消防法」で対処できる場合があります。しかし、ゴミ屋敷に直接対応する国の法律は、現在のところありません。

例え客観的に見てゴミ屋敷であっても、住人がそれらは大切なコレクションだと主張すれば、強制的に撤去することはできないと解釈されているからです。

しかし、周囲の人からすると、地域の景観や衛生、治安を損なう迷惑行為ととらえてもおかしくないでしょう。そのため、自治体内の公共の利益を守るため、必要に応じて各自治体が条例を制定し、ゴミ屋敷問題に対応しています。

京都市にゴミ屋敷に関する条例はある？

京都市には、「京都市不良な生活環境を解消するための支援及び措置に関する条例」というゴミ屋敷条例があります。

この条例は、平成26年11月に、不良な生活環境（ゴミ屋敷）の解消のために制定されました。

条例の基本方針として、ゴミ屋敷の解消は可能な限り本人が行うように促します。そして、社会的な孤立や病気などで、本人による解決が難しい場合は、関係機関が連携を取り、住人に協力するかたちでゴミ屋敷の解消を目指します。

なお、根本原因の解決のために福祉施策へ繋ぐことも対応策としており、条例の管轄は保健福祉局となっています。

「令和４年度『ごみ屋敷』に関する調査報告書」によると、平成30年から令和4年の間、京都府内で111県のゴミ屋敷が認知され、そのうち73件が改善されています。その改善割合は65.8%と高く、全国的に見てもトップクラスです。

たとえば、同じ関西圏の大阪府では、同じ期間で236件と倍以上のゴミ屋敷が認知され、その改善割合は47%となっています。このことから、京都府および京都市は、特にゴミ屋敷対策を強く進めている自治体だといえるでしょう。

参考・画像出典：令和４年度「ごみ屋敷」に関する調査報告書

京都市のゴミ屋敷に関する条例の詳細

京都市のゴミ屋敷条例では、大きく以下の流れでゴミ屋敷への対応を進めます。

1. 指導・勧告
2. 命令・公表
3. 行政代執行
4. 緊急安全措置

それぞれの対応の詳細について、以下で順に確認していきましょう。

参考：都市不良な生活環境を解消するための支援及び措置に関する条例

指導・勧告

まず、不良な生活環境（ゴミ屋敷）を生じさせた人、つまりゴミ屋敷の住人に対して、自治体がそれを認知した後で指導が行われます。

そして、一定回数の指導をしたにもかかわらず、ゴミ屋敷の状態が改善されない場合は、必要な措置を採ることを勧告します。

命令・公表

ゴミ屋敷の状況が非常に悪く、周辺にも影響を及ぼすほどの不良な状態が続いている場合は、必要な措置を採るように命令が下されるでしょう。先ほどの勧告と違い、命令には高い強制力があります。

それでも命令に従わない場合は、以下のゴミ屋敷の詳細情報を市が公表できます。

• 住人の氏名・住所
• ゴミ屋敷の具体的な状況
• 命令の内容
• 市が求める事項

行政代執行

ゴミ屋敷の住人が命令にも従わない場合、行政代執行が行われ、強制的にゴミ屋敷が片付けられます。

行政代執行を受けたゴミ屋敷の住人は、代執行が終わったあとで、かかった費用を負担しなければなりません。

ただし、行政代執行は、市と住人による話し合いによって解決しなかった場合の最終手段なので、滅多に実行されることはありません。しかし、過去には実施例もあるので、指導・勧告を受けた時点で早めに対処することが重要です。

行政代執行の実施例の詳細については、次の見出しでご紹介します。

京都市は全国で初めて条例に基づいた行政代執行をした自治体

京都市は、全国で初めてゴミ屋敷条例に基づいて行政代執行をした自治体です。

行政代執行が行われたのは、条例制定からちょうど1年後の、平成27年11月のことでした。

京都市右京区にある空き家において、玄関に面する道路上やベランダにゴミが溢れ、周辺住民の生活に支障が出ていました。また、ゴミの重さでベランダが倒壊する恐れもあり、公共の利益を確保するため、行政代執行が行われました。

しかし、突然行政代執行に至ったわけではなく、再三にわたる指導・勧告などが行われたにもかかわらず、働きかけに応じなかったため、最終的に行政代執行という判断になったのです。

京都市でゴミ屋敷を片付ける方法

京都市でゴミ屋敷を片付ける場合、自分の力で片付けるか、ゴミ屋敷清掃業者に片付けてもらうか、2種類の方法が考えられます。

それぞれの詳細について、以下で順に確認していきましょう。

方法①：自分の力で片付ける

京都市でゴミ屋敷を片付けるにあたって、まだ軽度の状態であれば、自分の力で片付けることも可能です。

目安としては、床がまだ見える状態、水回りが生きていて住人が不便なく生活できている状態であれば、自力で片付けを検討しても良いでしょう。片付けのポイントは次の3点です。

• ゴミ（モノ）が溜まり始めた早い段階で片づける
• ごみの収集日に合わせて片づける
• 大量のゴミはクリーンセンターへ持ち込む

京都市ではゴミ出しの際、有料指定ゴミ袋に入れる必要があります。また、大量にゴミが出る場合は、京都市のクリーンセンターへ持ち込むことも可能です。持ち込みには事前予約が必要なので、大量のゴミが発生しそうな場合は、早めに予約しておくと良いでしょう。

以下の記事ではゴミ屋敷を1日で片付けるためのコツを紹介しております。

ゴミ屋敷を1日で片付ける方法やコツ・注意点を解説

2023.12.18

• ゴミ屋敷

方法②：ゴミ屋敷清掃業者に片付けてもらう

軽度のゴミ屋敷は自力でも片付けられますが、足の踏み場がないほどに重度のゴミ屋敷の場合、自力での片付けは困難です。その場合は、無理せずゴミ屋敷清掃業者に片付けを依頼しましょう。

ゴミ屋敷清掃業者に依頼すると、自力でする場合の何倍も早く作業が進みます。自力では1ヶ月以上かかるような状態でも、数日程度で完了してもらえる場合もあります。

そのため、ゴミ屋敷を改善したいものの、自力ではなかなか片付けられずにいる方は、費用や期間などについて、ゴミ屋敷清掃業者に一度問い合わせてみると良いでしょう。

京都市でゴミ屋敷清掃業者を選ぶ際のポイント

京都市でゴミ屋敷清掃業者を選ぶうえで、以下6つのポイントが重要です。

1. 訪問見積りに対応しているか
2. 見積もり料金が明確か
3. 作業内容・範囲が明確か
4. ゴミ屋敷片付けの実績があるか
5. 希望するサービスに対応するか
6. スタッフはマナーや礼儀があるか

それぞれのポイントの詳細について、順に確認していきましょう。

①訪問見積りに対応しているか

京都市でゴミ屋敷清掃業者を選ぶ場合、まずは訪問見積もりに対応しているかを確認しましょう。

ゴミ屋敷の清掃にかかる費用や期間は、ゴミの量や現場となる場所の階数、運搬経路の状況などによって変わります。そのため、正確な見積もりを出すためには、訪問して現場を確認することが不可欠です。

優良業者であれば、たいてい訪問見積もりを無料でしてくれます。複数の業者を比較することも想定されているので、見積もり後にキャンセルしても問題ありません。

もし訪問見積もりに別途料金がかかったり、電話やメールなどの簡易的な見積もりのみであったりする場合は、その業者への依頼は控えた方が良いでしょう。

②見積もり料金が明確か

京都市でゴミ屋敷清掃業者を選ぶ際は、見積もり料金が明確かどうかもチェックしましょう。

見積もりは、あくまで想定される作業を予想して出す金額なので、作業後に変わる可能性もあります。たとえば、ゴミが多過ぎて分からなかった部分に、外から見えない大量のゴミがあった場合、追加で費用がかかるケースもあります。

そのため、追加の可能性があっても、明確な料金を提示・説明できる業者を選ぶと安心です。

③作業内容・範囲が明確か

京都市でゴミ屋敷清掃業者を選ぶうえで、作業内容・範囲が明確かという点も重要なポイントです。

実際にあったトラブルとして、家全体の片付けを依頼したつもりが、実際は1部屋しか片付けてもらえず、他は手付かずのまま放置されたというものがあります。

このようなトラブルに至らないためには、実際に作業を依頼する前に、その詳細をできるだけ詳しく確認しておくことが重要です。

④ゴミ屋敷片付けの実績があるか

京都市でゴミ屋敷の片付けを依頼する場合、ゴミ屋敷片付けの実績がある業者かどうかを確認しましょう。

ゴミ屋敷清掃をする業者は、大半が不用品回収や遺品整理などを含めて活動しています。もし不用品回収や遺品整理の実績しかなく、ゴミ屋敷清掃の実績がない業者の場合、適切な作業をしてもらえない可能性があります。

よくある例として、ゴミ屋敷清掃を周りに知られたくない依頼者が多いので、慣れている業者であればそれを考慮して、静かに作業することがあります。しかし、不用品回収と遺品整理の実績しかない業者だと、そのような配慮はしてもらえないでしょう。

⑤希望するサービスに対応するか

京都市でゴミ屋敷清掃業者を選ぶ場合、希望するサービスに対応しているかどうか、事前に確認するようにしましょう。

ゴミ屋敷清掃業者では、多種多様なニーズに対応できるよう、色々なオプションサービスが用意されています。代表的なものとしては、クリーニング、害虫駆除、除菌・脱臭、買取などです。

しかし、これらのサービスはあくまでオプションであり、業者によっては対応していない可能性も考えられます。そのため、もし絶対に利用したいと考えるサービスがある場合は、問い合わせや見積もりの際に可否を確認すると良いでしょう。

⑥スタッフはマナーや礼儀があるか

京都市でゴミ屋敷清掃業者を選ぶ際、スタッフのマナーや礼儀にも注意を払いましょう。

依頼主と直接やり取りするスタッフのマナーは、その業者の作業品質にも関わります。また、挨拶や言葉遣いなどの基本的なビジネスマナーは当然のこととして、ゴミ屋敷住人としては気持ちに配慮した接客をする業者に依頼したいものです。

問い合わせや見積もりをした際にスタッフの対応を確認し、何かマナーや礼儀で気になる点があった場合は、他の業者も検討してみることをおすすめします。

京都市のゴミ屋敷片付け事例を紹介

ここでは、京都市で数多くのゴミ屋敷片付けを承ってきた「関西クリーンサービス」の、実際のゴミ屋敷片付け事例を厳選してご紹介します。

お部屋の片づけ

作業料金

240,000円

作業内容

ゴミ屋敷片付け

間取り

5DK

作業人数

8名

作業時間

2日

住所

京都

作業項目

大量の不用品回収、2トントラック２台、パッカー車2台

プラン内容

退居のためお急ぎのご依頼でした。ゴミ屋敷になってしまったお住まいを、明け渡しまでに空っぽにしなくてはなりません。不用品に混ざって乾電池やスプレー缶、ライターなどの危険物が大変多く、分別に苦労しましたが2日間でスッキリと片付けることができました。

大量の不用品回収（ゴミ屋敷）

作業料金

400,000円

作業内容

ゴミ屋敷片付け

間取り

3LDK

作業人数

6名

作業日数

2日

住所

京都

住所

大量の不用品回収

プラン内容

お客様からゴミ屋敷片付けのご依頼です。マンション3LDKの間取りで足の踏み場がない量でした。各部屋にスタッフ分かれて効率よく作業を進めていきます。お客様から残して（探して）ほしいモノのリストをいただいていましたので探索しながらの作業です。２日に分けての作業となり、無事に探し物も見つかってお客様にはご満足いただけました。

ゴミ屋敷片付け

作業料金

187,000円

作業内容

ゴミ屋敷片付け

間取り

1K

作業人数

4名

作業時間

6時間

住所

京都府

作業項目

大量の不用品回収

プラン内容

音信普通になってしまったご子息様のお部屋を片してほしいとのご依頼でした。お部屋はトイレまでゴミ屋敷の状態でペットボトルが山積みになり、たばこの吸い殻が大量にありましたので火事の危険性を感じたお部屋でした。スタッフ4名の6時間程で全ての作業が完了しました。

まとめ

今回、京都市のゴミ屋敷に関する条例について、詳しく確認してきました。

京都市には、「京都市不良な生活環境を解消するための支援及び措置に関する条例」という条例があり、主にゴミ屋敷の住人を支援するかたちで、市内のゴミ屋敷問題に取り組んでいます。また、京都市は全国で初めて、条例に基づいて行政代執行が行われた自治体としても知られています。

京都市でゴミ屋敷にお困りの方は、今回ご紹介したことを参考にして、適切な方法でゴミ屋敷に対処するようにしましょう。

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