そのまま直ぐに処分できない品がある
近年、要らない物や使わなくなった物を整理する断捨離がブームになっているのに加えて、終活ブームで生前整理の需要が高まったり、高齢化や核家族化で亡くなった方の遺品を引き継ぐ人がいないなどの理由で不用品回収へのニーズが高まっています。
あらゆるジャンルの物を引き取ってくれる業者が増えていますが、だからといって、どんな物でも気軽に捨てられるわけではありません。
特に日本人は信心深い方も多く、特に信仰がなくても、古くからの習わしや親や祖父母からの言い伝えなどを気にかける方が少なくありません。そのため、処分するにあたって一定の手続きや供養などが必要になる品には配慮する必要があります。
仏壇や神具など
たとえば、ただ処分することができない代表的なものに仏壇や神棚などの宗教や仏の供養に関わるものがあります。
普段何気なく拝んでいるご先祖様の位牌などが祀られている仏壇ですが、日本の伝統的な風習としては設置する際には御霊入れという儀式を行って、お坊さんにお経を唱えていただき、家から出す際には御霊抜きの儀式を行い、お坊さんにお経を読んでもらうのが一般的です。
そのうえで、専門の解体業者などに解体してもらうという流れです。もっとも、菩提寺が家から離れていてお坊さんを呼べない方、なるべく費用を抑えたうえで適切に処分したいという方は、供養も行ってくれる不用品回収業者に依頼するとスムーズです。
引き取り後にお坊さんによる御霊抜きを行って御供養証明書を発行してくれるケースのほか、個別にご家庭の宗派に属する近隣のお寺のお坊さんをお招きしてその場で供養をする手配まで行ってくれるケースもあります。
人形の供養やお焚き上げ
昔から人形には魂が宿るなどと言われています。特に故人様が大切にされていた人形やぬいぐるみ、その他の愛用品は亡くなった方の魂や霊が宿っていると考えられています。
どこまで信じるかは別として、一般的に日本人はこういう話を聞くだけで、そのまま捨てるわけにはいかないと思うものです。
不用品回収業者の中には人形などをお寺に持ち込み合同供養やお焚き上げまで実施してくれるところもありますので、相談してみるといいでしょう。