阪神淡路大震災の後に
老人の孤独死という言葉が新聞の紙面上に掲載されたのは、阪神淡路大震災の後、家を失って仮設住宅に住んでいた老人が誰にも看取られることもなく、亡くなっているのを発見されたときからだったように記憶しています。
当時は震災の後の特別な出来事の一つとして理解していた人も多かったのではないでしょうか。しかし、この孤独死は阪神淡路大震災によるものだけでなく、全国至る所で耳にするようになります。
つまり、特別な出来事ではなくなってしまったということです。
そして、今や一つの社会問題としてクローズアップされるようになってきているのです。
なぜ孤独死が発生するのか
なぜ、老人の孤独死が次々に発生するのでしょうか。それはまず一人暮らしの老人が急激に増えているからです。
もともと独身だったという人もいるでしょう。伴侶に先立たれ一人になってしまった人もいるでしょう。
昔であれば親の面倒を見るのは子供の義務として考えられていましたが、今は子供も自分の生活で精一杯だったり、少子化の問題もあったりして、子供がいても一人で暮らしている老人も多いのです。
初めから独身で生きてきた人よりもむしろ、子供がいるのに気にかけてくれないというほうが、より一層孤独を感じることでしょう。
もし近所との付き合いもほとんどなければ、一人で誰からも気付かれることなく亡くなってしまうということは十分にあり得ることなのです。
そして、これは誰も他人事だと言えない時代になってきているのです。
孤独死の後始末
老人の孤独死は発見が遅れます。通常腐敗が進んで、臭いでおかしいと気が付くことが多いようですが、そのような状態で発見された場合、後の処理が大変です。
きちんと消毒と掃除を行い清潔な状態に戻した後、遺品の整理なども行わなければなりません。
ただ、これは素人の手に負えるものではないことが多く、そのような場合は不用品回収業者の中で、孤独死などに伴う遺品整理や消毒を行っている業者に依頼することになります。