【医師監修】ゴミ屋敷とメンタルヘルスの関係性とは?ゴミ屋敷を生む意外な原因
- ゴミ屋敷
作業カルテ
飛び交うハエ、ゴキブリの大群、さらにはハトの巣と卵まで……。想像を超える光景が広がる大阪府内のゴミ屋敷。その部屋の主は、ご依頼主さまの母親です。
離婚を機に一人暮らしをしていたお母さま。それ以来、娘であるご依頼主さまとは長年疎遠で、お部屋の中は時が止まったかのように、思い出の品とゴミであふれていました。
母と娘に何があったのか?親子の再出発をお掃除でサポートしました。
今回の清掃をご案内するのは・・・
ナビゲーター 関西クリーンサービスのマスコットキャラクター”にゃんと” | |
解説 関西クリーンサービス スタッフ 太田春哉 |
今回の現場は、集合住宅の4階にある2DKのお部屋です。玄関を開けると、奥の部屋に続くように空き缶やゴミが散乱しているのが見えました。
ナビゲーター”にゃんと”
玄関から不用品が散らかっている様子がわかるね。
担当スタッフ 太田
そうだね。でもこの部屋の問題は、不用品やゴミだけじゃなかったんだ。
それでは、部屋の様子を順番に見てみよう。
廊下には、ゴミをまとめたと思われるコンビニの袋、ラジカセ、キーボードなどが放置されています。
廊下を抜けてダイニングキッチンへ進むと、まず目に入ったのは、窓際に積み上げられた白いゴミ袋の山と、たくさんの空き容器です。
ダイニングテーブルやキッチンの上には、お酒やお茶、コーヒー飲料の空き缶や空き容器がぎっしりと。煙草の吸殻も放置され、灰がテーブルに積もっています。
ダイニングテーブルの下をのぞくと、ゴミを隠すかのように、ぎゅうぎゅうにゴミ袋が詰め込まれていました。邪魔になったゴミをよけていたのでしょうか。
担当スタッフ 太田
キッチンだけじゃなく、廊下や他の部屋にも、ところどころゴミをまとめた袋が落ちていたんだ。
ナビゲーター”にゃんと”
お母さんが自分でまとめたのかな?
ゴミ袋に入れるところまでは出来ても、ゴミ出しする気力がなかったのかも…。
ダイニングの横にある居間はふすまが開けっ放しで、キッチンから続くように食品トレーや空き缶が床を埋め尽くしています。食べ残しの食品がそのまま放置されているため、異臭が立ち込めて、ゴキブリが壁を這いずり回り、あちこちハエが飛び回っていました。
続いて、もう一つの和室の様子を見てみましょう。
学習机のある和室には、布団が敷きっぱなしでした。その枕元には、いつからあるのか分からない食べかけの焼きそばのようなものが……。
ナビゲーター”にゃんと”
ここで寝ていたのかな?生ゴミに囲まれていて、とても衛生状態が悪いね…。
学習机の上は所狭しと空き缶やペットボトルが並んでいます。家族で暮らしていた頃は、ここが娘さんの部屋だったのかもしれません。
次はトイレを確認。排水が詰まってしまったのか、床にトイレットペーパーの山ができています。
ゴミ屋敷のトイレは、ゴミや汚物が詰まりがち。便器の外にトイレットペーパーや汚物が散乱していることも珍しくありません。一度汚くなると、その場所を汚すことに抵抗がなくなるのかもしれません。
担当スタッフ 太田
他のゴミ屋敷の住人さんがおっしゃっていたんだけど、「ゴミがだんだん増えていく段階で、“ここから向こうはゴミを捨てていい場所“に変わっていく」という方もいたよ。
この意識は、ゴミ屋敷に住む人たちに共通していそうだね。
担当スタッフ 太田
室内を確認して思ったことは、ゴミは多いけど、部屋全体の印象としては、長く住んでいる割に物量は多くない印象だったよ。
家具・家電はあまり多くないし、日用品を新しく買ったりした様子もなかったんだ。ただ、ゴミだけが増えていったという感じがしたよ。
ベランダへ出ると、大量のゴミに加え、ハトの糞まみれです。ハト避けのネットが張られていたものの、破れていて意味がありません。
物干し竿に数羽のハトたちが我が物顔で止まっており、ベランダの手すりの下には死骸が横たわっていました。
フンの被害は階下にまで……。ベランダに据付けの物置の扉は外れ、ボロボロでした。
ナビゲーター”にゃんと”
これじゃ隣近所にも被害がありそうだね・・・。
なぜ、これほどのゴミ屋敷になってしまったのか。ご依頼に至るまでの経緯を、依頼主である娘さんにお伺いしました。
「母とは長い間会っていなかったのですが、管理会社や近隣住民の方から連絡が来るようになり、この状況を知りました。どうにかしなければと思い、依頼を決めました」
清掃前のお部屋に入ることを、躊躇されていたご依頼主さま。お母さまが部屋をゴミ屋敷にしてしまったことや、その中でずっと生活されていたこと、そして記憶に残る母とのあまりの違いに、ショックが大きかったのでしょう。
お母さまと疎遠になったきっかけについて、こう語ってくださいました。
「私が幼い頃に両親が離婚し、私は父とともに家を出ました。父からは、『母親と会ったり連絡をとったりしないように』と、ずっと言われていて。母は私の携帯番号を知っていたので、定期的に電話がかかってきていましたが、父の言いつけがあったので応対しませんでした」
ゴミ屋敷になった理由については、「これかな?」と思い当たる節があるそうです。
「母は精神疾患を患っているんです。病気を抱えたまま20年以上も一人暮らしをしているので、そのせいかなと思っています。病気の原因は分かりませんが、父によると私が小さい頃から少し鬱気味だったようです。周囲のいろんな人に『私に何かあったら娘に連絡してくれ』と、私の連絡先を教えていたみたいで、近所の方から苦情の電話がかかってくるようになりました」
テーブルには服用した抗精神病薬の痕が大量に。闘病で苦しまれていた様子が伺えます。
親子が抱える複雑な事情。今回のお掃除で、関係に変化は生まれるのでしょうか。
さっそく片付けスタートです。まずは明らかにゴミとわかるものを、分別しながら片付けていきます。
ナビゲーター”にゃんと”
小銭など、価値のあるものも見逃さずに仕分けていくよ!
ゴミの片付けを進めていくと、古いリカちゃん人形を発見しました。
お客様A
懐かしいです!子供の頃によく遊んでいました!
担当スタッフ 太田
昔のリカちゃん人形はコレクター需要が高く、買取対象になりますよ!箱などの備品も残っていれば、高価買取も可能です。
衛生状態が悪い中でもテキパキと順調に作業を進め、押し入れの掃除に取り掛かったスタッフたち。ところが、押し入れの中から大量のゴキブリが飛び出してきました。
その数の多さに、現場に慣れているカメラマンも一瞬ひるんでしまうほど。
ナビゲーター”にゃんと”
一匹でも大騒ぎなのに、大量のゴキブリなんて・・・。
でも、ゴミ屋敷であっても、虫が全然いない現場もあるよね?
担当スタッフ 太田
そうだね。ゴキブリのエサになる生ゴミが少なかったり、日当たりのいい場所や、風通しのいい部屋にはいないことが多いよ。
ナビゲーター”にゃんと”
そうなんだ。ゴミ屋敷って、カーテンを閉め切ったままにしているイメージがあるけど、虫の多さと関係あるの?
担当スタッフ 太田
カーテンを閉めた部屋の中でゴミを溜めていくから、開けられなくなるんだ。室内に日光を取り込むだけでも、少しは虫予防の効果があるよ。
この部屋は閉め切った状態で、ゴキブリが好きな生ゴミが多かったから、ここまで大量に増えてしまったんだね。
ゴキブリがうごめく中、押し入れの天袋を片付けていると……
ナビゲーター”にゃんと”
うわぁ!!なにこれ!?
声を上げて飛びのくスタッフ。視線の先にいたのは、真っ白なゴキブリです。
ナビゲーター”にゃんと”
え、これは何…?アルビノのゴキブリ?突然変異?もしかしてレアな種類のもの?
担当スタッフ 太田
ゴミ屋敷清掃で、たまーに見かける白いゴキブリ。巷では『白いゴキブリは幸運を呼ぶ』なんてウワサもあるけど、じつはこれ、脱皮直後のゴキブリだよ。
ナビゲーター”にゃんと”
ゴキブリって脱皮するの!?
担当スタッフ 太田
そうなんだ。チャバネゴキブリで約6回、クロゴキブリは条件次第で10回以上も脱皮するよ。
脱皮後は少しずつ色が黒くなっていくんだ。たいてい翌日には黒くなるから、白い状態を見られるのはレアだね!
担当スタッフ 太田
この部屋には成虫のゴキブリも、まだ小さいゴキブリも、数えきれないほど這いずり回っていたよ。ゴキブリの繁殖に適した場所になっていたことがよくわかるね。
レアキャラの登場に、思わずハイテンションになってしまったスタッフたち。最初はゴキブリの多さに驚いていた我々も、部屋のあちこちから飛び出て落ちてくる彼らに、段々慣れていきました……。
これは、ダイニングのゴミやテーブルを撤去した後のフローリングシートの状態です。汚れがひどく、じめじめしているのがよくわかります。
シートを剥がすと、下の床は比較的キレイな状態でした。
リビングでは、押し入れの中の荷物など、分かりにくい場所にも貴重品が埋もれていないか、しっかりチェックしていきます。
清掃の際はご依頼主さまに立ち会っていただき、その場で貴重品の確認をしていただくことがあります。しかし、今回はご依頼主である娘さんから「入室に抵抗がある」と伺っていたので、娘さんのご主人に貴重品やお写真などを選別していただきました。
さて、次はベランダです。 片付けていると、スタッフが何かを発見。
ハトの巣と卵です!
片付けていくと、あちこちから卵が出てきました。
ベランダの奥には、ヒナもいました。
まだ小さなヒナに「ごめんね~」と声をかけつつ、一気に撤去。巣・卵・ヒナは、自治体に確認の連絡を入れたのち、適切に対処しました。
担当スタッフ 太田
野生のハトは処理が大変なんだ。フンの粉が飛ぶし、野鳥はいろんな菌を持っているから、人体に有害。熟練のスタッフでも、野鳥の処理は怖く感じるよ。
それから、動物愛護法で野鳥を勝手に捕まえたりしてはいけないと決められているから、もし発見したときは、自治体の指示に従って安全に対処してね。
ベランダからはまだまだ生き物が登場します。 物置の扉を開けると、白いハトがちょこんと座っていました。
ナビゲーター”にゃんと”
ハトさんこんにちは~!!
ハトにとっては、外敵に襲われる心配のない良い隠れ家だったのでしょう。お部屋をキレイに片付けるために、鳥獣ネットを外して広い自然へ帰ってもらいました。
作業開始から6時間経ち、初日の清掃が終了しました。
今回のお片付けでは、依頼主である娘さんが使っていた幼少期のリカちゃん人形や雛人形、ランドセルに作文、日記集など、思い出の品がたくさん出てきました。
仕分けた荷物を見て、娘さんはこう語ります。
「たぶん、母が思い出として残していたのだと思います。それか、捨てられなかったのかも。一緒に住んでいた頃からゴミ出しが苦手で、ゴミを溜めてしまう人でしたから」
溜め込んだ荷物の中から出てきた1通の手紙からも、お母さまの当時の様子が伺えました。
「子供の頃、母に宛てて書いたものですね。今ほど酷くはなかったはずですが、ちょっとずつゴミが溜まっていく第一段階の状態だったのかもしれないです」と語る娘さん。
清掃前は入室を渋っておられましたが、片付いたお部屋を見て、「かなりスッキリして良かったです」と安堵の表情を浮かべられました。 そして、今後のお母さまとの付き合い方について、決めたことがあるそうです。
「十数年ぶりに会った母は、病気のせいか性格が変わってしまい、昔の母ではありませんでした。信じられない気持ちですが、仕方のないことですね。健康なら、ゴミ屋敷にしなかったのかな。今までは疎遠だったけど、これからは少しだけ近い距離で接していこうと考えています。たまに会って、キレイな部屋を保てるようにしていこうかなって」
「連絡は取りつつ、お互いのために“べったりな関係”にはならない」
そう決意したと、スタッフに教えてくださいました。お掃除を通して、断絶していた親子関係に変化の兆しが現れたようです。
作業2日目からは水回りのハウスクリーニングを行い、フローリングを洗浄しました。ハウスクリーニングを行う範囲は、お客さまのご要望やご予算に合わせて決定します。
それでは、ゴミ屋敷を片付けたお部屋をご覧ください。
ナビゲーター”にゃんと”
ゴミがなくなっただけですごくきれいだね!
畳に残った黒ずみは、カビや汚れ、腐食です。 このまま使うのは衛生面で心配がありましたが、畳の張替えは費用がかかります。今回はご予算を踏まえ、ゴミの撤去と水回りのハウスクリーニングを優先されました。
担当スタッフ 太田
ゴミが溜まったままでは、畳の状態まではっきり分からないんだ。まずはゴミを片付けてから、ハウスクリーニングをするかどうか検討するお客さまも多いよ。
ナビゲーター”にゃんと”
他の部屋はどうなったのかな?
ダイニングの床はシートを敷いていたおかげもあり、クリーニングをすると目立つ汚れは残りませんでした。
ゴミだらけで汚れていたトイレもこの通り清潔になりました。
ナビゲーター”にゃんと”
大量発生していたゴキブリは駆除できたの?
担当スタッフ 太田
じつは、2日目のハウスクリーニングでも、ゴキブリの処理に手を焼いたんだ。
大量に侵入していたし、一斉に逃げ回るから、ほかの場所や隙間からまた出てくるという始末。燻煙剤などであぶり出しと殺虫を繰り返して、やっと駆除できたよ。
作業内容 | 大量のゴミ・不用品の片付け ハウスクリーニング |
作業人数 | 7名 |
作業時間 | 2日 |
使用車両 | 4tパッカー車 2tロングトラック |
料金 | 385,000円(撮影協力値引きを含む) |
通話料無料! 受付時間8:00~20:00(年中無休)
スマートフォンひとつで簡単にお支払いができる、決済サービス「PayPay」にも対応しています!
今回の現場は、ゴミと思い出の品だけに囲まれ、過去に取り残されたようなお部屋でした。
担当スタッフ 太田
ゴミ屋敷レベルは5段階中の3かな。
ゴミの量がめちゃくちゃ多いわけではないけど、とにかく衛生状態が悪かったよ。食べ物のゴミが多いせいでコバエやゴキブリはいっぱいいたし、ベランダはハトの巣窟になっていたし…。生き物の処理が、作業の中でもいちばん大変だったよ。
ゴミ屋敷になってしまう背景には、疾患や孤独が大きく関係しています。とくに、精神状態が崩れるとセルフネグレクトに陥りやすく、ゴミ出しをする気力すら失くしてしまうことも珍しくありません。
健康な人が見ると「人間が住む場所じゃない」と感じてしまう環境で生活しているため、ゴミ屋敷の住人は理解されにくく、周りに相談できない傾向にあります。その結果、社会的な孤立が進み、より状況が悪化してしまうのです。
担当スタッフ 太田
今回のお母さんも、相談できないどころか、近所からは苦情などのトラブルもあったというから・・・。
ナビゲーター”にゃんと”
一人ではどうにもできず、誰にも頼れなくてゴミ屋敷化が進んでしまったのかもしれないね。娘さんの電話番号を周囲に教えていたのは、自分が電話をかけても出てくれないから、他の人にかけさせて、異変に気付いてほしかったのかな。
ゴミ屋敷に住み続けると、衛生環境の悪さから病気になってしまったり、最悪の場合は孤独死を引き起こしてしまいます。
「実家がゴミ屋敷になってしまった」
「疎遠だった家族の家が、ゴミとゴキブリだらけになってしまった」
「親との関係は良くないが、ゴミ屋敷に住んでいるのを黙って見ているのも苦しい」
そんな悩みをお持ちの方は、関西クリーンサービスへご相談ください。専門のスタッフがご依頼主さまに寄り添いながら丁寧に対応し、生活環境の改善をサポートいたします。
最短即日で無料見積もりいたします。
通話料無料! 受付時間8:00~20:00(年中無休)
スマートフォンひとつで簡単にお支払いができる、決済サービス「PayPay」にも対応しています!
作業内容 | 大量のゴミ・不用品の片付け |
---|---|
作業人数 | 7名 |
作業時間 | 2日 |
使用車両 | 4tパッカー車 |
料金 | 385,000円(撮影協力値引きを含む) |