ゴミ屋敷を作り上げてしまう人の心理とは?寂しさからゴミ屋敷を作り上げてしまうのか?
- ゴミ屋敷
作業カルテ
今回は、“ゴミ屋敷住人”だった女性が孤独死された現場をご紹介します。ご依頼主は、物件オーナーである不動産管理会社さまです。原状回復のリフォームなどは提携しているリフォーム会社さまが対応するとのことで、弊社にはゴミの片付けおよび簡易清掃をご依頼されました。
故人は58歳の女性。生活保護を受給中で、以前からゴミトラブルを起こしていたそうです。
地区の生活保護課から管理会社へ「女性と連絡が取れない」との知らせがあり、管理会社が電話をかけてみたものの繋がらず、訪問しても応答がなかったため、警察に通報されました。
部屋の中を確認するため警察が扉を開いた瞬間、強烈な臭いがしたそうです。その場に居合わせた管理会社の方は、「これは中に入らないほうがいい」と警官に止められたとのこと。
死臭ではない、その臭い。
原因は、セルフネグレクトの末に生み出された、とあるモノでした。
大阪・京都・奈良を中心に近畿一円でゴミ屋敷片付けや遺品整理、特殊清掃のサービスを提供。遺品整理においては受注件数5年連続関西No.1(※)の実績を誇り、片付けのプロとして日々さまざまなご依頼にお応えしています。
※東京商工リサーチ2019年~2023年「遺品整理業」調査において
セルフネグレクトとは、「生活環境が悪化しているものの改善しようとする気力を失い周囲に助けを求めない状態」を指します。
日本語では“自己放任”あるいや”自己放棄”と訳され、ゴミ屋敷問題や孤独死と密接に関わる、深刻な社会問題です。
セルフネグレクトの主な概念に、「セルフケアの不足(個人衛生の悪化・健康行動の不足)」と「住環境の悪化(環境衛生の悪化・不十分な住環境の整備)」があります。具体的にどういった状態なのでしょうか。
<セルフケアの不足の具体例>
<住環境の悪化>
住環境の悪化は、ゴミ屋敷に相当する概念だといわれています。心身の悪化により片付けや掃除ができず、物やゴミをため込んだ結果、住環境が不衛生な状態となるのです。
また、高齢者がセルフネグレクト状態にある場合、整備が不十分な住環境下で暮らしていることもあります。
セルフネグレクトに陥る原因として、①認知症や物忘れ ②親しい人との死別の経験 ③家族、友人、知人、地域などのコミュニティーからの孤立 ④病気やケガ、精神疾患 ⑤貧困 などが明らかになっています。
セルフネグレクト状態にある人は、「周囲に助けを求める気力がない」「気兼ねや遠慮から、他者に迷惑をかけるのを避け支援を求めない」といった理由から、社会から孤立していることがほとんどです。支援やサービスを受けることを恥と考え、拒否している場合もあります。
自らを客観視できない状態に陥り、SOSを発しない・発せない当事者たち。
今回の現場でお亡くなりになった方も、セルフネグレクト状態にあり、支援を拒んでいたひとりでした。
(警察がご遺体を引き上げに来た時の様子)
玄関を開けると、山積みになった大量のゴミが視界に飛び込んできました。透明なポリ袋が所狭しと積まれており、足の踏み場もありません。
スタッフはゴミの上をのぼり、部屋の奥と玄関の二手に分かれて片付けを開始しました。
ひとまず手前にあった布団を取り出してみたところ、謎の液体が付着していました。
足場を探しながら部屋の中を進んでいきます。ポリ袋を手に取ってみると、一つひとつに排泄物が入っていました。
ポリ袋に排泄するのが日常的になっていたようです。故人はなぜ、このような行動をしていたのでしょうか。
部屋をよく見てみると、廊下に面したトイレの扉がゴミによって開けなくなっていました。トイレが使えないため、部屋の中で用を足していたのでしょう。
排泄物やペットボトルが入った袋は、廊下を埋め尽くすように無数にありました。異臭はするものの、ぎっちりと袋を締めているせいか、見た目ほどは臭いません。
(ゴミの山は地層のようになっており、下にいくほど排泄物のみの袋になっていた)
袋に入っているのは大便ばかりで、尿が入ったものは見当たりません。床がべちゃべちゃで、袋に液体が滴っていることから、尿は廊下で適当に済ませていた可能性があります。
尿などの影響もあってか、ゴミが床にべったりと張り付いていました。
ご遺体は発見時、腐り始めていたとのこと。死臭の少なさから、発見は早かったものと思われます。
警察による現場写真を見る限り、ご遺体は廊下奥の部屋もしくはその手前で発見されたようです。排泄物と思われる液体で床が濡れていたこともあり、弊社が現場に入った際は体液痕を確認できませんでした。
排泄物の山をかき分けながらキッチンへ。
蛇口をひねってみると、少し濁った水が出てきました。長い間使われていなかったのでしょうか。
冷蔵庫の中はキレイでしたが、入っていたのは飲料ばかり。賞味期限がずいぶん前に切れたドリンクも、そのまま入れられていました。
お風呂は長期間使った形跡がなく、汚れだらけ。タオルなのか服なのか、黒ずんだ何かが床に張り付いています。
トイレもお風呂と同じく、汚れやカビだらけです。
玄関とキッチンの廊下を抜けて奥の部屋へたどり着くと、乱雑ではあるものの比較的マシな状態でした。
段ボールや衣装ケースがポンっと置かれてあり、まるで引っ越してきた当時のままのよう。家具もほとんどなく、服などの日用品も箱に収められたままです。
故人は5~6年ほど住んでいたようですが、生活感が感じられません。
遺品を片付けていると、日記のような謎のノートが出てきました。
(本人にしか分からないように書かれている、暗号のような何か)
年季が入った鏡や、箱に入ったままのレトロなおもちゃ、寛永通宝などの古銭も発見。
遺品や部屋からは、故人がどのような人物で、どう生きてこられたのか、まったく見えてきません。
ご依頼主である管理会社の方に、詳しくお話を伺いました。
「ゴミをたくさん溜め込まれていたので、異臭に関する近隣住民とのトラブルが何年も前から続いていたんです。一度、管理会社のスタッフがゴミを少し片づけたものの、また元に戻ってしまって……」(管理会社の女性社員談)
荷物をすべて片づけたあと、室内の簡易清掃に進みます。
今回は現場に体液痕がなかったため、薬剤を使用した特殊清掃は行いませんでした。床にへばりついたゴミや汚れを削り取り、洗剤と消毒液で洗浄していきます。
清掃前
清掃後
地域 | 大阪 |
作業人数 | 5名 |
作業時間 | 約6時間 |
作業内容 | 遺品整理、汚物・不用品の撤去、消毒 |
作業料金 | 165,000円(税込) |
特殊清掃の作業は家財道具の片付けや体液の洗浄だけでなく、脱臭、内装の撤去・やり替えなど多岐にわたります。関西クリーンサービスではこれらの作業を一貫して対応いたします。業界トップクラスの清掃、オゾン脱臭技術で、お部屋を原状回復。リフォーム業者様と提携されている場合の作業の範囲もお気軽にご相談ください。
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現場を担当した作業スタッフに、今回の特殊清掃の様子を振り返ってもらいました。
「作業日に初めて現場を見ました。部屋に入ったときの印象は、『ゴミの質量が結構あるな』でしたね。だいたい、腰の高さくらいまで積まれていたんですよ。それが玄関から廊下の奥までずっと続いていました」(弊社スタッフ談)
この時点では、ポリ袋の中身は明らかになっていませんでした。作業に取り掛かってから、排泄物だと判明したそうです。
「先に動いていたスタッフが、『ヤバいことになっているかも』と言っていて。玄関先の布団を取り出したとき、パッと下の地層を掘り返してみたら、排泄物入りのポリ袋がたくさん出てきました。それを見て、『なにこれ!?』ってなりましたね。トイレットペーパーが入っている袋もあったので、『絶対に大便ちゃうか』と」(同)
糞尿にまみれたゴミ屋敷の中で、孤独死してしまった故人。現場の様子を見ていると、セルフネグレクト問題がいかに深刻なものかを考えさせられます。
セルフネグレクトやゴミ屋敷化は決して特殊なものではなく、誰しもが何かのきっかけで陥ってしまう身近な問題です。
もしご家族や親しい方がそのような傾向にある場合、早期に支援の手を差し伸べることで、最悪の結末を防ぐことができるかもしれません。
関西クリーンサービスでは、孤独死という悲しい現実を一件でも減らすため、これからも記事や動画を通して警鐘を鳴らしていきたいと考えています。
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京都府京都市 K様
京都 J様
奈良県奈良市 B様
地域 | 大阪 |
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作業人数 | 5名 |
作業時間 | 約6時間 |
作業内容 | 遺品整理、汚物・不用品の撤去、消毒 |
作業料金 | 165000円(税込) |