畳の上で孤独死…大量の体液とハエのサナギが残る現場を特殊清掃
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遺品整理や特殊清掃のご依頼を承る関西クリーンサービスが今回駆けつけた現場は、大阪府内にある集合住宅の一室です。
一人暮らしだった住人の方が孤独死され、物件の大家さまから特殊清掃のご依頼がありました。 体液痕が残る和室。
その清掃の様子をご紹介します。
この記事の執筆者
関西クリーンサービス 編集部
大阪・京都・奈良を中心に近畿一円でゴミ屋敷片付けや遺品整理、特殊清掃のサービスを提供。遺品整理においては受注件数5年連続関西No.1(※)の実績を誇り、片付けのプロとして日々さまざまなご依頼にお応えしています。
※東京商工リサーチ2019年~2023年「遺品整理業」調査において
死後経過不明の孤独死現場。隣人からの苦情で発覚
ご依頼を受け弊社のスタッフたちが向かったのは、長屋の文化住宅。その1階の部屋で、住人の方がお亡くなりになられました。
関西クリーンサービス
隣の住人の方から大家さまへ「ひどい臭いがする」との連絡があり、確認した結果、孤独死が発覚しました。故人は玄関を入ってすぐの畳の上で亡くなられており、死亡後の経過期間は不明だったそうです。
ご遺体の発見後、すぐに他の業者さまによって除菌・消臭が行われ、その後、弊社に特殊清掃と遺品整理のご依頼をいただきました。部屋には腐敗臭が残っており、畳には体液が染み込んでいました。
関西クリーンサービス
スタッフが現場へ駆けつけたときにはウジ虫やハエはいなかったけど、先に除菌と消臭を行ったときは無数のハエが飛んでいたそう。
一人暮らしだった故人の遺品は、亡くなった当時のまま置かれています。スタッフ一同手を合わせ、清掃と遺品整理をさせていただきました。
孤独死現場の清掃の様子
まずは体液痕を踏まないよう、上からブルーシートを被せます。
関西クリーンサービス
体液を踏んでそのままいろんな場所を歩いてしまうと、あちこちに体液がついてしまう恐れがあるんだ。臭いも移っちゃう。
お亡くなりになった場所がちょうど玄関の近くだったのもあって、シートで保護して遺品整理に入ったよ。
次にゴミを分別していきます。今回は長屋の一室だけの作業だったので、他の現場と比べて比較的モノが少ない印象でした。
貴重品などを見落とさないよう、棚の中や引き出しの中も一つひとつしっかり確認しながら進めていきます。
関西クリーンサービス
意外と引き出しの中から小銭などのお金が出てくるんだ。特にお客さまから指示がない場合、現金、通帳、印鑑、契約書などの重要書類を貴重品としてまとめるよ。
雑誌や段ボールは資源ゴミとして分別。整理を進めていると、ハエのサナギがそこら中に落ちていました。
毛布の下にも、ハエになりかけているサナギがたくさん残っています。
大型の家具を運び出し、畳に残ったゴミを掃いたら、いよいよ畳の処理に取り掛かります。畳は体液がついた部分以外にも臭いが染みついているので、一間分(6畳分)をすべて処分。パッカー車に積み込むため、1畳分を三分割します。
関西クリーンサービス
畳を処分するときは、大体三分割にしないとパッカー車(ゴミ収集車)に積めないんだ。体液のあるなし関係なく、処分するときは必ず切り分けるよ。
畳の上で亡くなられて腐敗が進んだ場合、畳の藁床が体液を吸収し、ストッパーの役割を果たします。そのため、畳の下の板まで体液が浸透していないことが多く、畳を剥がすことで臭いも軽減されます。
関西クリーンサービス
ご遺体の腐敗具合や経過時間によっては、畳の下地まで体液が染みていることもあるよ。今回の現場は、ヘリの隙間から少しだけ下地まで染みてしまったんだけど、念入りに薬品をかけて消臭と除菌をしたよ!
仕上げに部屋全体を脱臭・消毒していきます。噴霧器を使い、ミクロの微粒子で殺菌。部屋の隅々までまんべんなく振りかけていきます。
関西クリーンサービス
濡らしすぎてしまうと壁や畳を傷めてしまうし、少なすぎても効き目が弱くなっちゃうから、細かい粒子の噴霧器を使うんだ。
お客様A
今回は昔ながらの土壁の現場だけど、通常の集合住宅と作業の違いはあるの?
関西クリーンサービス
表面的な部分の作業に大きな違いはないよ。
一般的な壁紙の物件は臭いが染みつきやすいんだけど、貼り替えも比較的簡単だから、他の部屋の壁紙も剥がすことが多いかな。でも、土壁をリフォームするのは費用も手間も掛かってしまう。
今回は、臭いがそこまで強くなかったのが幸いだったよ。
遺品に見た故人の印象
この部屋で亡くなられた故人は、どのような方だったのでしょうか。遺品からは、生前の一端がうかがえます。
収納棚や物が多く、一見雑然とした印象を受けますが、よく見ると、几帳面な性格だったことが想像できる生活ぶりが浮かび上がってきます。
壁には、郵便物や領収書、チラシなどがいたるところにピンで止められていました。
レジ袋はキレイに折りたたまれ、ノートにはビデオの録画記録が丁寧に書き込まれています。
「自戒」と題された家訓のような紙も発見。
作業途中、インシュリンのような薬も出てきました。糖尿病を患われていたのでしょうか。
関西クリーンサービス
遺品の状況から、亡くなられたのは年配の男性だと考えられるよ。大家さんが故人の親族に連絡を試みたものの、繋がらなかったそう。玄関に近い場所で倒れていたのは、誰かに助けを求めようと外に出ていこうとしていたのかもね……。
特殊清掃の概要
地域 | 大阪 |
作業人数 | 3名 |
作業時間 | 約6時間 |
作業内容 | 遺品整理、畳の撤去、消臭・除菌 |
使用車両 | 2tトラック、パッカー車 |
料金 | 242,000円(税込) |
大阪・京都・奈良で孤独死の特殊清掃にお困りなら関西クリーンサービスにお任せください
特殊清掃の作業は家財道具の片付けや体液の洗浄だけでなく、脱臭、内装の撤去・やり替えなど多岐にわたります。関西クリーンサービスではこれらの作業を一貫して対応いたします。業界トップクラスの清掃、オゾン脱臭技術で、お部屋を原状回復。リフォーム業者様と提携されている場合の作業の範囲もお気軽にご相談ください。
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まとめ:男性に多い孤独死。社会が抱える課題とは
孤独死の調査(※1)では、男性の割合が女性よりも高いと報告されています。その原因の一つとして、社会との接点が少ないことが挙げられます。男性は女性と比較して、所属するコミュニティが少ない傾向にあるからでしょう。
関西クリーンサービス
ここで亡くなられた方も、臭いが発生するまで発見されなかったこととか、親族と連絡がつかないという大家さんの話もあったから、人付き合いが少なかったのかもね…。
また、一人暮らしの人が持病を抱えている場合、孤独死のリスクはさらに高くなります。孤独死は決して珍しいものではなく、誰にでも起こり得るものです。
関西クリーンサービスでは、特殊清掃の業務を通じて、様々な孤独死の現状に直面してきました。
「なぜこんなことに…」と、やりきれない思いを抱くことも多々あります。
孤独死を防ぐには、人と人のつながり欠かせません。現代社会では人間関係が希薄になりつつありますが、毎日顔を合わせる隣人や、いつも立ち寄るお店の店員さんとのちょっとした会話も貴重なつながりです。私たちは今後も特殊清掃の作業を公開し、そうした人とのつながりの大切さを伝えていきたいと考えています。
地域 | 大阪府 |
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作業人数 | 3名 |
作業時間 | 約6時間 |
作業内容 | 遺品整理、畳の撤去、消臭・除菌 |
使用車両 | 2トントラック |
料金 | 242,000円(税込) |